2020年1月8日水曜日

吾輩はシャーロック・ホームズである

 1902年、ベーカー街221Bにあらわれた日本人留学生ナツメは、自分のことをシャーロック・ホームズだと思いこんでいた。
 ナツメはなぜ自分をシャーロック・ホームズだと思いこむようになってしまったのか。留守中のホームズからナツメのことを頼まれ、困惑しながらもナツメをホームズとして扱うドクター・ワトスン。
 ワトスンはナツメとともに降霊会に出席し、そこで「あの人」によく似た女性と出会うばかりか、殺人事件にも巻きこまれてしまう。
 ホームズだと思いこむナツメと、降霊会殺人事件を調べることになったワトスン。果たして事件の真相はなんなのか。
 ロンドン留学中に、心を病んだ夏目漱石をシャーロック・ホームズの世界に登場させた奇妙なミステリー。
 しだいに明かされるナツメがホームズだと思いこむようになった理由、「あの人」が関係した事件の真相。
 血生臭い描写も少なく、シャーロック・ホームズが好きな人ならたのしめると思う。

著者 柳広司
ISBN 4-09-387624-X
発行年 2005-12

角川文庫版
ISBN 978-4-04-382903-3
発行年 2009-9