2019年12月4日水曜日

ぼくらはそれでも肉を食う 人と動物の奇妙な関係 (原題:Some We Love, Some We Hate, Some We Eat)

 人が動物と接するときの心理的矛盾を考察した本。
 著者は人類動物学(Anthroology)という新しい学問分野の第一人者。
 本書は、食べていい動物とそうでない動物、殺すことにためらいを感じる動物とそうでない動物について、「人はそれらを判断するときにどういった心理で行っているのか?なにか判断の基準になるようなものがあるのか?」という疑問に対し、 人の心理は一貫性がなく矛盾だらけである様子を、アメリカ文化を背景とするアメリカ人の姿から、客観的に考察している。 
 本書の背景は、日本人にはなじみの薄いアメリカの文化をもとにしているため、動物に接するときの人の心理だけでなく、文化の多様性についても知るきっかけにもなる一冊。
 原書の全訳ではなく、著者の了解を得て一部が削られているとのこと。 

 著者 ハロルド・ハーツォグ(Harold Herzog)
 訳者 山形浩生 守岡桜 森本正史
 ISBN 978-4-7601-3962-0
発行年 2011-6